解約したお客さまにインタビューしてプロダクトの企画に活かすまで

解約したお客さまにインタビューしてプロダクトの企画に活かすまで

はじめまして、ReproでUI/UXデザイナーを務めている河西と申します。Reproのデザイナーはプロダクト企画を行っているProduct Planning Teamに属し、プロダクトの少し先の未来を描き、中期製品戦略の策定とその浸透および状況にあわせた戦略の改定、顧客からの一次情報を収集、戦略の実行のため体験設計、UI設計まで一貫して行っています。

Product Planning Teamがなにをやっているかなど詳しくはこちらの記事をご覧ください! tech.repro.io

今回は解約したお客さまにインタビューを行いプロダクトの企画に活かすまでをお話したいと思います。ユーザーインタビューを行っている方、プロダクトの企画を行う方になにか参考にしていただければ幸いです。

ユーザーインタビュー、難しいですよね?

ユーザーインタビュー、だれになにを聞いたらいいのか難しいですし。現場では緊張するしトラブルもおきます。さらにその結果の整理も大変ですし、その後事業やサービスにどう活かせばいいのかもわかりません。聞いて満足してしまうということもあるあるですよね。私達も同じように苦労しました。

困り顔の女性

なぜ解約したお客さまにインタビューをしたのか

Reproは企業と顧客のつながりや関係性を強化するエンゲージメントマーケティングが実行可能なCE(カスタマーエンゲージメント)プラットフォーム「Repro」を提供しているSaaS企業です。

Reproはサブスクリプション契約で毎月継続的にお客さまから料金を頂いています。この毎月の収益をMRR(Monthly Recurring Revenue)と呼び、SaaSにおける重要な指標になっています。解約による損失を抑え、順調に新規MRRを獲得し続けることで大きく成長することができます。※アップセル、ダウンセルは割愛しています。

解約理由はお客さまごとに多岐にわたりますが、やりたい施策がReproの機能不足などでできないことが要因で他ツールに乗り換えてしまうことも多いです。私達はこのようなコントローラブルな解約を可能な限り防ぐ必要があります。

そこで、解約したお客さまには、どんな機能が必要だったのかそれはなぜ必要なのかをインタビューを通して明らかにしようとしました。

解約による損失を抑え、順調に新規MRRを獲得し続けることで大きく成長することができることを示す図

どうやってインタビューをしたのか

リクルーティング

ReproではCSが解約時に解約理由などをお客さまに直接ヒアリングしており、それらがSalesforce上に情報としてたまっています。

それらの情報をもとに、ここ数年の間で機能不足で解約し他ツールに乗り換えたお客さまをリストアップし、リクルーティングしました。さらに私たちの仮説の裏付けを取るため、Reproを解約した/しないに関わらず現在他ツールを使っている事業者の方にも追加でリクルーティングしました。

<追記> リクルーティングでは解約されたお客さまに対してCSから連絡してもらいました。

質問リストを作成しインタビュー

誰になにを聞くべきかを決めるにあたり、今回はCSによる解約時のヒアリングで得られた情報を元に、この機能があれば解約をしなかったのではないか?この機能がもっと使いやすければニーズを満たせていたのではないか?等色々な仮説をたてたうえで質問項目を組み立てていきました。

このときインタビュー相手の運用している役職などによっても質問を変更します。例えばツール導入の決裁権のある方と施策実行をする方ではツールに対する考えかたが異なります。前者の方には特になぜそのツールを導入したのか、事業戦略上どのような効果を期待しているのかなど、より上流の意思決定に関する話を伺いました。一方で、後者の方にはより具体的な施策内容や業務フロー、実際のツールの使い勝手などを伺いました。

結果のとりまとめ

インタビューをおこなったあとに、客観的にみた行動、その行動を行う理由、さらに上位の目的などに分類し必要な機能や価値をあぶりだしました。

さらに複数のインタビューをみてより必要な価値、現時点ではそこまで必要ではない価値にグルーピングしていきました。

インタビューで得た内容をグルーピングしている図

どのようにプロダクトの企画に活かしたのか

実際のインタビュー以外にも過去にCSが解約時に行ったヒアリングなどからも必要な価値を分類しカウントしていきました。ヒアリング結果と合わせることで、より多くの企業が求めており、より多くの損失を生んだ機能はどれか?が明らかになり、いまReproが取り組むべき課題が見えてくるようになりました。

架空の不足機能をカウントした表

これらの活動から得られた示唆をファクトデータとして取り扱うことで、ここ2-3年に取り組むべき重要な課題が明らかになりました。この結果をふまえ、中期製品戦略上いつどのタイミングで実行していくかなど具体的な策定に着手することになります。もちろんいつその課題を解決するのかはReproの他事業との兼ね合いや、現在のアーキテクチャの事情、当然エンジニアリソースも加味して策定しました。

インタビュー、分析、マイルストーンへと進めたことを示す図

まとめ

Reproは持続的な成長のために、多くの課題のなかから取り組むべき課題を顧客や市場の声をベースに取り決められるように仕組み化し動き出しています。

このようにReproのデザイナーはUIデザインのみならず会社が中期的に取り組むべき課題をさぐるプロセス、戦略の立案、その説明などに深く関わっています。

<追記>

Reproではともに働いていただけるデザイナーを募集しています!このようなプロセスに少しでも関心をお持ちの方、デジタルプロダクトをデザインしたい方など是非ともお話お聞かせください!

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